海鼠腸 [心のおはなし]
久々に美味しい日本料理を頂いて幸せで~す。
中でも煮鮎や海鼠腸の入った茶碗蒸しがとっても美味しかった。やはり日本料理って繊細で
すね!板前さんの包丁裁き、無駄のない動き、どこも汚さず散らかさず・・・私なんか前で人様に見ていられたら、もう取り乱してぐちゃぐちゃだろうと思うと・・・さすが!
最後のせいろもきりっと頂けました。
何十年ぶりでしょうか、海鼠腸を食したのは・・・そんなことを想いながらの帰り道、
祖父の事が懐かしく思い出されました。
祖父の家は揖斐川の河口、「七里の渡し」の近くに位置していた為
多くの料亭、置屋が近所にたくさんありました。
月に何度か、祖父はハイヤーを呼んで幼い私をドライヴに連れて
いってくれました。
帰りに「船津屋」か「山月」という名の揖斐川沿いの料亭に立ち寄りました。
そこでいつも突き出しに出されたのが、海鼠腸でした。
山月の女将さんは、気遣って私にはマスカットだったり、バナナだったりを
海鼠腸の小鉢の横に並べて下さいました。
祖父は、時に海鼠腸だったり、白魚だったり、泥鰌、蜂の子を肴に女将の杓で
1本お銚子を呑むと、私とハイヤーに乗って帰宅。
ところが、料理屋は自宅までは歩いても2分とかからない場所。
当時の私は、何故こんな近くなのにハイヤーに待っていてもらうのか
不思議でした。
でも、今思えば、きっと祖母には料亭に立ち寄っている事を知られたくなかったのかな~って。
美味しいものは、心のご馳走も思い出させてくれます。
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